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[クリミナルマインド] シーズン3第16話。超ネタバレ。


テキサス州ウェスト・ビューン(West Bune, TX)。男がピックアップトラックに乗って、自宅に戻ってきた。風に揺らぐ大木。男は大きな音がするそれに、「今晩起こしたら切り落とす」と言って、足を引きずりながら家に入っていった。そして、家は爆発した。

間もなくして警察が到着。ロッド・ノリス(Norris)という男の家は、真っ赤に燃え盛っていた。中にいた彼は真っ黒焦げになり、爆風で外に吹き飛ばされたようだ。応援を呼ぶ保安官と家の様子を携帯電話のカメラで取る保安官。二人はいきなり射殺された。男がそこに歩み寄り、頭にもう1発撃った。

スペンサー・リード。彼はとあるミーティングに参加していた。参加者は警察や軍に所属している人ばかり。Dilaudid(ハイドロモーフィン(hydromorphone)の製品名の1つ。鎮痛剤)に依存していた彼は、10ヶ月前にそれを克服したつもりだった。そんな中で1ヶ月前に起きた事件。ライアン・フィリップスという少年が目の前で殺されて以来(今シーズン第12話の事件)、再びそれが使いたい衝動に駆られていた。

事件について。ケイティという女子高生が彼に殺され、友人のリンジーもまた彼に襲われた。それを知った父親のジャックが彼の行方を突き止め、学校のトイレでショットガンを突きつけた。リンジーは殺せと叫んだ。そこに到着したスペンサーは、彼を必死に止めようとした。だが、結局止めることは出来なかった。証人保護プログラム下で暮らしていた彼らは、その重要性と事件性を考慮され、別の名前で無事に暮らす事になったが、彼の心は平穏を迎える事はなかった。

彼らが扱う事件は猟奇的で、少年が関わることも多い。その中でとりわけライアンの顔だけは、脳裏から消えないでいる。忘れたいけど忘れられない。

Spencer: I just want to escape.

彼に事件の連絡が入る。現場に行こうとする彼を引き止める男がいる。"sir"と彼が呼ぶその男は、どうやらお偉いさんのようだ。しかし、ここでは立場は同じ。ただのジョン(John)だと言った。

急いで戻ろうとする彼に一枚のコインを渡した。彼が薬を断って1年の記念にもらったメダリオン。ジョンがそこに至るまで6年を要した。それ以来13年、片時も肌身離さず持ち歩いていた。これが今の彼を支える全てとも言える。スペンサーはもう10ヶ月、薬なしの生活を送っている。あと2ヶ月。彼の揺れる心を支える物になるのだろうか。

Spencer: You're just giving it to me?
John: No. A couple of months when you get your year, you give it back to me.
Spencer: I really don't understand.
John: You will.

JJからのブリーフィング。遅れて入って来た彼をからかうデリク。

Derek: I hope she was worth it. I hope it was a she.

映画に行っていたと言い訳したが、ロッシにどの映画か聞かれて焦った。途中で出てきたから分からないと誤魔化しておいた。本題に戻って、二人の警官が殺された事件。

家の中にいたロッドに加え、もう一つの遺体が発見された。現在、身元確認中であるが、彼の娘ジョーダン(Jordan)である可能性が高い。遺体の損壊状況からして、爆破当時は家の中にいたものと思われ、爆発物に非常に近い距離だったようだ。

爆破はトラップで、本来の目的は二人の警察官だと考えられる。最初に一般人を狙ってから注意をひきつけ、最初に来るであろう警察を狙うと言うテロリストの様な戦術。確かに手口だけを見れば、テロリストの犯行であると考えられる。現にDepartment of Homeland Security(DHS: 国家の安全を司る省)も州境にテロ警戒の指示を出した。

しかし、デリクには引っかかる点がある。このウェスト・ビューンという場所。全くもって無名の地であることから、マリーシャじゃないかと彼は考える。エミリーは州境という場所柄、密入国者の可能性も示唆した。

いずれにせよ、警官だけでなく、10代の少女を爆破するという残虐な事件。周辺住民への影響も懸念される。不安や恐怖にさいなまれる人だけでなく、復讐を考える人間もいるだろう。

Rossi: Can you blame 'em?


Criminal Minds



Spencer (V.O.): "A sad soul can kill you quicker, far quicker, than a germ." John Steinbeck.

BAUは現場に到着。同僚警官のハラム(Hallum)が迎え、事件についての説明。ロッド・ノリスは、イビス(Ibis)にある化学製品工場の責任者。妻が出て行って10年になるが、その間に逮捕暦はない。ハラムは彼女がそうしたことを責められないと言った。娘のジョーダンは学習障害を抱えていたからである。残酷な話ではあるが、そうした事情があった。

爆発した家を調べる。部屋は窓からドアまでダクトテープで密閉され、コーダイト(cordite: 無煙火薬の1つで、戦車や大砲など比較的大きなものに使われる)を使っていた。小型缶がいくつも発見され、ダメージがドア周辺に集中している事から、火薬を詰め込んだそれを一箇所に集めたと想定される。

キッチンを完全に密封した後、パイロットライト(pilot light: ガスコンロの点火に使う)を壊して缶の近くにガスを充満させた。木にロッドの遺体が引っかかっていた事から、別方向の地面に投げ出された遺体はジョーンダンのものだと思われる。

爆発による影響を受けたのはその部屋のみで、他はダメージが小さい。つまり、家全体を吹っ飛ばそうとしたのではない。タバコのパックがあることから、ロッドはスモーカー。犯人は彼がタバコを吸いながらドアを通ってくるという事を知っていた。

ハッチとデリクは、殺された警官の方を調べた。撃たれた跡から全自動式の銃だと分かる。二人とも一発目の銃弾で倒れた事から、犯人は高いスキルを持っている。それなりのトレイニングも受けているはずだ。

レッツ(Letts)は倒れたが、少しの間生きていた。サヴィジ(Savage)の方は即死。だが、犯人はレッツを無視して、サヴィジの頭に銃を放った。死んだと分かった人間にこうするのは、個人的に彼を狙ったからだろう。

犯人はロッドの習慣を知っており、サヴィジが駆けつけることを知っていたことになる。テロリストは無差別に攻撃するため、相手のことを詳しく調べたりはしない。よって国内外を含め、テログループによる犯行ではない。

今回の犯行目的は、ロッドとサヴィジの殺害。この二人と個人的に関係がある人間でハラムが思いつくのは、オーウェン・サヴィジ(Owen)。彼の息子であり、ジョーダンと交際していた。保安官が彼の家を調べたが、不在。ハッチ達もそこにやって来た。

ハラムとサヴィジは、人生全部というほど長い付き合い。サヴィジの妻のホープ(Hope)は2002年、飲酒運転の車によって死んだ。彼がアフガニスタンにいた時の話である。彼が戻ってくるまでの間、ハラムがオーウェンを預かっていた。

サヴィジは海軍に12年所属していたのだが、オーウェンを育てるために退役した。それを聞いたスペンサーは、彼が妻や息子を恨んでいたか尋ねた。部屋の様子から、サヴィジは非常に忠実な男である事を悟ったらしく、子育てのために軍を辞めることになったことを不満に思っているのではないかと疑った。

ハラムはいい奴だと否定したが、妻や子供の写真が1枚も飾られていない。かばいだてしても犯人は捕まらない。ハラムはため息をついて真実を語った。実は、ホープ自身が飲酒運転をしていた。しかし、彼は調書にそう書かなかった。彼女の飲酒癖は街中で広く知られていることだったため、結果的に意味はなかったとのことである。

スペンサーはオーウェンの部屋を調べに行く。ハラムは金庫の番号を試す。誕生日を入れたが、ヒットなし。デリクがサヴィジのマリーン時代の制服を発見した。ドライクリーニングの袋に入ったまま。ここにも妻や息子の写真はなかった。それを見てハッチは思いついた。11-10-75。マリーンコープスが出来たのは1775年11月10日。

開いた。国に命をかけた男ならではのものだった。中を見てハラムは悲惨な状況を想定する。サヴィジは自動銃やハンドガンのコレクションをしていて、オーウェンにもその使い方を教えていた。それが保管庫からそっくり消えていた。

Derek: Gun safe is empty.
Spencer: That's a surprise.

彼の部屋にポスターがある。グシャグシャになったポルシェの写真は、ジェイムズ・ディーンが事故死した時のもの。彼自身のポスターはなく、ただそれだけが貼ってある。母親の事故を想起させる。

PCの方はパスワードがかかっていて調べられない。服は全て黒。飾ってあるジョニー・キャッシュの服と同じ。自分自身をmisunderstood loner、つまり、うまく理解されない孤独な人間と捉えているとデリクは判断した。

しかしリードの方は違う意見を持っているようだ。

Spencer: What, you grew up in Chicago, a high school jock, you had pictures of Scottie Pippen and Michael Jordan all over your walls, trophies everywhere?
Derek: Yeah. But you forgot Walter Payton. Not to mention the sexy ladies of the Sports Illustrated Swimsuit Issues.

Who wouldn't?という冗談はさておき、鏡は真っ黒に塗られている。自分の姿を見ることすら拒絶していたのか。

外から女がわめく声が聞こえてくる。レッツの妻サラ(Sarah)は完全にオーウェンの仕業だと思い込んでやって来た。やはり恐れていた事態になってきた。このように感情的になっている人間は他にもいるだろう。

モーガンはここでもう少し部屋を調べる。ハッチナーとリードはオーウェンの高校に行って、教師や友人から彼の人格を特定するための情報を集める。それが分かれば、彼の行き先が見えてくるかもしれない。

そうする前に情報が入った。州境で5人目の犠牲者と共に彼の車が見つかった。おそらくそのまま州外に逃走したものと思われる。

エミリーが車を調べたが、一切の証拠は残されていない。ハラムの方もテキサスレインジャーを道路封鎖に当てているため、捜査のための人員確保に苦労している。一方、犠牲者はカイル・ボーデン(Kyle Borden)という19歳の青年。レジ係として働く彼は、顔に銃弾を一発だけ受けて死んでいた。彼の車が無くなっている事から、オーウェンはそれで逃げていると思われる。

必要な備品を揃え、車を奪うだけなら顔に撃ち込んで殺す必要はなかったはずだ。まして、抵抗した跡も一切ない。カイルはオーウェンの高校の数年先輩に当たるから、オーウェンは彼を知っていたのだろう。殺し方からして、相当な恨みを持っていた可能性もある。

店の中を調べると、棚には品がビッシリ揃っている。請求書から昨晩補充したばかりだと分かる。だが、妙な点が1つ。牛乳と冷凍ピザ、肉を持って行き、水は取らなかった。逃走するのにあまりにも不自然な品々だ。ということは、彼は道路を走っているのではない。

ハラムにオーウェンがまだこの地にいることを告げると、「彼」ではなく「彼ら」だと訂正した。ロッドの家から見つかった死体はジョーダンのものではなかった。検死官に送って調べてもらったところ、ジョーダンのジーンズにハムや骨付き肉を詰め込んだものだと判明。だとすれば、彼が一緒にいる人間は、彼女に他ならない。

Hallum: Is she a hostage or accomplice?

答えはそのどちらでもなかった。二人は今、山小屋にいる。彼が車にシートをかけていると、目を覚ました彼女が家の中を探して回る。そこには5人の写真が飾られていた。何がどう狂ってしまったのか。彼女がキッチンに来ると、彼は花を持って現れた。喜んでいる様から、彼女は現在起きている状況を知らないものと思われる。

いつまでここにいていいか不安がる彼女に、父親は探しに来ないだろうと彼は言った。知り合いのストラットマン(Stratman)が来月初めまで家を空けているので、一時的に隠れ家として使っている。いつか貯めたお金で二人の家を買いたいとオーウェンは夢を語った。しかし、父親にばれたら殺されるというジョーダン。それに対して彼は、誰にも彼女を傷つけさせないと答えた。怯えたような彼女の表情。父親に暴力を振るわれていたのか。

ハッチとスペンサーは高校に来た。オーウェンのカウンセラによると、二人が付き合い始めたのは去年から。彼が特別クラスに移ってからのことである。高校の卒業年に移動とはいささか遅い気がするが、学業に問題があってのことではなかった。

素行の悪さと努力不足ということだったのだが、詳しく見てみると必ずしもそうでないことが分かる。数学と科学(science)はAで、非常に才能がある事をうかがわせる。その一方で、英語(当然だが、日本語の「国語」にあたる)と歴史はD。読解能力に難があると思われる。そしてFを取ったのが地理。空間把握能力に問題がある。手書きを見てもそれが確認できる。

つまり彼は非常に頭はいいものの、学習能力に障害を抱えている生徒なのだ。それが全国テストに結果として出なかったというのだが、空間位置関係に障害を持っている彼なら選択式の黒塗り問題を塗りつぶす事もできないからして、点数が取れるはずがない。野球のボールすらも打てないので、どのスポーツもやろうとすらもしていなかった。そんな彼が1年生の時に入ったのがレスリング部。父親に認めてもらうためだったが、結局うまくいかず辞めてしまった。

その頃、デリクはPCのパスワード解析をしていた。画面には母親のホープの写真が出ている。"Johnny Cash"と試してみた。ダメ。

Derek: I know you're trying to tell me something. Hope... Ok.

スペンサーはまるで彼の気持ちが分かるかのようにハッチに話した。オーウェンはクラスでも最も頭が切れる生徒だったはずだが、それを証明することができなかった。頭がいいというのは、一人っ子の様に孤独になりやすい。彼はあらゆることを繰り返しやってみたが、全て失敗に終わった。そして、学校はそれを彼のせいだということにした。

Spencer: I mean, it makes sense.

しかし、そのような状況は理解で来ても、ここまで暴力的になることはありえない。精神的暴力を受けたとか、そういうものがあるはずだ。ハッチの下にデリクから連絡。彼らに見せたい動画が発見された。

エミリーとJJはジョーダンについて尋ねていた。彼女自身は優しい子で、人を傷つけるようなタイプではない。一方で父親の方は、バカだと思っていたようだ。少し考えるのが遅いだけで時間さえ与えればいい話だったのに、彼はそうすることすらなかった。父親に暴力を受けても、自分が悪いからとそれを受け入れていた。

そんな彼女もオーウェンと出会ってから状況が変わる。父親に電話を取り上げられた彼女にPDAを買ってあげ、Eメールができるようにした。支払いも全て彼が行い、彼や友人のアイリーン(Eileen)以外からの連絡を受けないようにセッティングしていた。

ただそれだけではなく、彼女を悪く言う人間から守ろうともしていた。例えば、1年生の時、彼女の障害を利用した上に、それを皆に話して回った先輩がいた。彼女を助けてあげなければならないと思ったアイリーンが友達になったわけだが、事は違った方向に行ってしまい彼女は落ち込んでいた。

Emily: You're wrong. She's lucky to have you as a friend, Eileen.

去り際に彼女は確認した。もちろん、その先輩とはカイル・ボーデン。彼女の復讐のために殺したようだ。

デリクから送られてきた映像は、悲惨なものだった。レスリング部に入ったオーウェンは、先輩にいじめられていた。これはトイレで先輩の前で自慰行為をさせられた時のもの。本人は撮影されていることなど知らず、その後これは校内のインターネットに投稿された。

もちろん校長もそれを知っている。すぐに削除させたが、一度でも世に出てしまえば、どこかに残されて一生消える事はないだろう。そしてオーウェンもその事を知った。すぐに父親に言えなかったが、レスリングを辞めた時に二人は対峙した。そして全てを話したところ、先輩達を責めるどころかオーウェンに責任があると言った。

そもそも父親に認められたくて入ったクラブをこのような形で辞めることになった。オーウェンは学校に訴えかけ、そこにいた人間の名前を全部話した。だが、映像には映っておらず、声があるのみ。彼らが認めたとしても、命令されたことをやる必要はなかったと言えば許されてしまうだろう。校長はそんな考えしか持っていなかった。

挙げ句に親や委員会、弁護士も関わる事態になるのを嫌ったという。そして彼が実際に言ったのは、いじめに対処する事も成長していく過程に必要なこと。スペンサーは怒りに震えた。もはや彼の中では、銃で殺す事も肯定されてしまっているのかもしれない。

Spencer: Right now, Owen's out there sorting it out with an assault rifle.

少なくともこのような人間を生み出した一端は学校にある。それはジャックの時と状況が似ている。誰にも助けてもらえない人間を救えるのは彼しかいない。そして、彼が思いついたイジメと戦う手段はライフルを持って殺す事だったのかもしれない。

ハッチはビデオを撮った人間と話したいと言った。だが、校長がスケジュール表をチェックして、彼らが全員欠席している事に気づいた。

PCに残った動画。そして、3人を呼び出すのに使ったと思われるメール。となれば、ガルシアの出番。とはいうものの、彼女も今回はてこずっているようだ。

Garcia: The kid is tech savvy, sir, But fret not, I am tech savvier. Is that a word? That sounds like a word. If it is a word, I'm it.
Emily: D.C. Time, Garcia.
Garcia: 11:17 A.M.
Emily: D.C. Decaf.

(West Buneがどこか分からないが、Moutain Timeだとすると2時間の時差。出勤早々でコーヒーを飲んでるペネロピとの温度差が可笑しい)

オーウェンとジョーダン、二人の特徴を話していると、ガルシアが新たに投稿された動画を発見した。苦痛に歪む彼女の顔。

河原で男が3人、ひざまずかされていた。全員パンツ一枚、両手は頭の後ろに組んでいる。男達は言った。あれは冗談だった。誰も本気でやっていない。3年前の出来事など、誰も覚えていないのだと。それは本当だろうか。誰一人として覚えていないのだろうか。

Owen: I do.

彼は3人を射殺した。映像はジョーダンのPDAから送られていたが、SIMカードをハックして匿名化している。どの電話機から送信したか分からないため、ガルシアとて場所は特定できない。一度きりの電話に有効な手段で、次に彼が電源を入れても再び同じことが起きるだけで、結局行方を追うことは出来ないとのことだった。念のため、彼が他に何か送信していないか携帯電話会社に連絡してみる事にした。また、映像に映っている場所をハラムに見せ、見覚えがあるか聞く。

Spencer: "There's a man going around taking names, and he decides who to free and who to blame. Everybody won't be treated all the same."
Rossi: Johnny Cash.

彼の歌"The Man Comes Around"より。BAUは河原にやって来た。3人の死体が置かれたまま。オーウェンは歌詞の様に、責任を負うべき人間を探して歩き回っている。自分が障害を持って生まれたためにこの様な仕打ちを受けるなら、その人間を辱めた人間にも相応の罰を与えなければならない。

彼らを殺した時にもこの曲が流れていただろう。だが、彼の場合1つだけ異なる点がある。誰でもいいというわけではなく、人を差別して扱い不当な行為で接する人間を選んでいる。

現地警察の警官全員を集めて会議。この手の事件を扱い慣れてないせいか、どこに家に潜んでいるか一軒一軒調べて行こうと提案する警官がいる。しかし、オーウェンは警戒心が強く、ニュースにも目を通している。今、彼は一難が去ったとホッとしている状況だと考えられる。そこに波風を立てるような作戦を用いると、再び彼を逃がしてしまう結果になりかねない。それは同時に新たな犠牲者を生むことを意味する。

オーウェンはスクールシュータ(school shooter)に分類され、"injustice collector"と
呼ばれる。世にはびこる不公平・不当行為を集めて回るというわけだ。ただ、通常と少し違って学校全体を襲わないのは、ジョーダンがいるからである。

学校の銃撃事件で良く見られるように、怒ったり絶望的になったりしたスクールシュータは、銃を持って学校の人間を殺して回り、最後には自殺する。しかし、彼には彼女がいるため、それを行わない。そうであるが故に、彼は苦しみから解放される事なく、未だに逃亡を続けている。

スペンサーは教師に見捨てられ、クラスメイトにいじめられ、父親にその責任を負わされた彼に同情した。家には銃のコレクションがあったのは、彼にとって幸運だとさえ言った。一見、犠牲者に対する報いだとも取れる発言をハッチは否定したが、スペンサーは知っていながら何もしなかった彼らをなじった。やはり薬を取るのを止め、重なる事件の影響から感情のコントロールが出来なくなってきてしまった。

ハッチは彼を別室に連れて行った。確かにスペンサーの言う事に一理はあるだろう。多くの未成年の犯罪者は、親や周りの大人達が原因になっている。しかし、ここにいた警官達は故意にやったわけではなく、それに気づけなかった。今それを責めても彼らを追い込むだけで、感情的にさせるのは捜査の点からも危険が伴う。ハッチはオーウェンの部屋を調べているデリクに合流するように言った。彼を事件から外すのではない。誰よりもオーウェンの様な人間を知る彼の力を利用する。

Hotch: You know this kid better than anybody. Go find us something we can use.

ハッチは先ほどのmpegをオーウェンのコンピュータからメディアに送信したいと申し出た。彼がそれを残したのは、犯行を繰り返している理由を知ってほしかったからだ。彼の望みどおり皆の知るところになれば、一時的とは言え彼の焦りも緩和されるかもしれない。時間を稼いでいる間に彼の身柄を確保する。警察が一軒ずつ尋ねるようなまねをすれば、ジョーダンと共に死ぬという選択をしてしまうかもしれない。ハラムもこれに同意した。

若いカップルは夕食を楽しんでいた。いつか二人で住む家の話をして、幸せな時間を送っている。物音がした。誰かが家にやってくる。オーウェンはジョーダンを奥に待機させ、一人で外に出た。予定外に早くストラットマンが帰ってきてしまった。

中から出てきた彼を見て、オーウェンだと気づいた。事件の事を知られていたら、まずい事になると思ったのか、念のために持ってきたナイフで彼を刺した。オーウェンは今までと全く違う目的で人を殺してしまった事に後悔を覚えた。

Owen: I'm – I'm sorry, Mr. Stratman.

彼は死体を隠し、家に戻る。ジョーダンは部屋の隅で体を震わせていた。よほど父親を恐れているのか、彼が二人を殺しに来たのだと思っていた。オーウェンは二人のメキシコ人少年が道に迷っていただけで、すぐに去って行ったと彼女をなだめた。もうこの世にはいない父親の影を恐れる生活は、いつまで続くのだろうか。

スペンサーはガルシアが修復したメールを調べていた。オフィスでの一件を聞かされたのか、デリクは自分の話を始めた。最初にこの家に来た時、スペンサーは彼のことをjock(
モテる運動選手)だと呼んだ。しかし、彼は初めからそうだったわけではなかった。

1年生の時、彼は160cm程度の身長で、体も細かった。それで毎日のようにいじめられていたのだが、夏を境に彼の身長は一気に15cm伸び、体重も増えた。

Derek: But it was never about vanity, Reid. It was about survival.

彼はただそうなったのではない。自分が生き残るために必死だったのだ。それを聞いてスペンサーも自分の話をした。

彼が図書館にいると、ハーパー・ヒルマン(Harper Hillman)という女の子がきて、アレクサ・リズベン(Alexa Lisben)が用具室の裏で会いたいと言っている事を伝えた。アレクサは学校でも一番かわいいと言われていた生徒だった。何も分からず彼が行くと、そこにいたのはフットボールチームのメンバーだった。

彼らはリードの服を脱がせ、ゴールポストに縛り付けた。多くの生徒が集まってその様を見ていたが、助けを求めても誰も救ってはくれなかった。ずっと見ていた彼らはやがて飽きて、何もせずその場を後にした。彼が家に戻れたのは、深夜だった。さらに悲しかったのは、家にいた母親が息子の不在に気づいていない事だった。

彼はこの話を母親はおろか、誰にも話さなかった。そうすれば忘れられると思ったから。だけどそれは違っていた。今彼が話しているように、昨日の事の様に覚えている。

Derek: Ah, Reid, you don't need an eidetic memory for that. You know, we forget half of what they teach us in school, but when it comes to the torment and the people who inflicted it... we've all got an elephant's memory.

どんなに忘れようとしても、心に刻まれた傷は消えない。河原での映像を見た時、彼にはその気持ちが痛いほど理解できた。

メールを見た限り、彼はジョーダンにサヨナラを告げる文面を書いているのだが、どの言葉も思いつきで選んだような適当なものではない。彼は母親に別れをきちんと告げる事が出来なかった。それ以来、捨てるという行動は彼にとって最も恐怖を覚える対象となった。だから彼の下を絶対に離れようとしないジョーダンを選んだのかもしれないとスペンサーは分析した。

二人はオフィスに戻り、ハッチ達に知らせた。もし、ジョーダンを取り上げるような事をすれば、彼は絶望し自殺を図ってしまう。しかし、それしか彼女を救い出す方法はない。彼女自ら彼の下を去らせるには、この殺人事件の真実を伝えるしかないだろう。ただ、BAUや警察の口から話しても、オーウェンより彼らの言うことを信じるとは思えない。そこでエミリーとJJはアイリーンに頼む事にした。

警察が二人を発見し絶望的な状況に追い込まれれば、彼は彼女と共に死ぬかもしれない。そうしなくても、警察に二人とも射殺される可能性もある。そのような体験をしてきた事を彼女に話した。これが彼女にとってジョーダンを救える最後のチャンス。彼女はFBIが話をしたいと言っているテキストメッセージを送った。

PDAが鳴り、彼女はメッセージを受け取った。IMでチャットする。ここからはスペンサーの出番。まず、ニュースの内容を送る。写真も見せ、オーウェンが彼女に隠れて事件を起こしている事をFBIは知っていると告げる。彼女は信用していない。つづいて河原での映像を送る。警察が彼女を救いに行けば、オーウェンは彼女を殺した後、自殺する可能性がある事を伝えた。彼女は未だ信用できず、彼が彼女を愛しているとだけ残して切ってしまった。後は、彼女に変化が現れるのを待つのみ。

その頃、オーウェンはストラットマンの遺体を埋めていた。窓の外からそれを見た彼女は、再びオンラインに戻ってきた。彼女の方からどうすればいいか尋ねてくる。居場所を聞き返すと、オーウェンが殺されるからと教えない。ならば、一人で逃げるように指示した。彼女はやってみると残して車に走ったが、エンジンがかからない。しばらくして、PDAからメッセージが送られてきた。彼女を裏切らせたという内容。ジョーダンのものではない。

Emily: Somebody please tell me we didn't just get Jordon killed.

エミリーは半ば絶望していた。これしか方法はなかったと慰めるJJだったが、彼女にもしものことがあればと考えてしまう。それは杞憂だった。彼女は一人で署にやって来た。

彼女はあのまま彼を振り切ってトラックで逃げてきた。おそらくPDAは捨てていったのだろう。事の顛末を話した彼女も、彼の居場所だけは教えようとしない。彼の身を案じての事だが、このまま放っておけば彼は自殺という道をたどるかもしれない。それこそ彼女にとって最悪の結末である。

チームはストラットマンの農場に向かった。銃を構え、家に突入。彼の姿はない。残されていたのは、埋めかけのストラットマンの死体と一枚の手紙。「母親のネックレスを返しに行く」

彼が自宅に戻る可能性がある。調べた時にはネックレスは見つからなかったが、どこかに隠しているかもしれない。警察はサヴィジの家に向かい、ハッチ達はホープの墓に向かう。スペンサーは、防弾ジャケットを脱いだ。このまま行けば彼は警察の手によって殺される。そこに関わりたくなかった。

Spencer: You don't need me.

銃がうまく撃てないだけでなく、説得する自信がないかのように見えた。ハッチはそれを察して、署で待っているようにと言った。

だが、それはリードの作戦だった。あくまでもオーウェンの命を救いたい。彼の願いはライアンの時と変わってはいなかった。彼はパソコンの画面に出ていたホープの写真をプリントアウトしていた。彼女の首に飾ってあるネックレスをジョーダンに渡したのではないか。手紙を見た時に、すでにその意味を理解していた。彼女に聞くと、ここに来る時にそれを農場に置いてきたのだと言う。だとすれば、彼はここにやってくる。

ハッチ達も異変に気づいていた。もし返しに来るならば、もう姿を見せていてもいいはず。ネックレスを返しに行くとは書いてあったが、その相手については書かれていなかった。オーウェンは忘れていったそれをジョーダンに返すという意味で手紙を残していたのだ。スペンサーに騙された事にハッチは気づき、すぐに署に向かった。

プレンティスはリードの推察に驚いていた。理由は簡単。もし自分が彼ならこうすると思ったから。オーウェンは髪を整え、黒のコートに身を包み、ショットガンとネックレスを持って署に現れた。それを見てリードは銃を彼女に渡し、撃たないように告げて彼に近づいていった。

彼は丸腰である事を見せ、説得に入る。戻ってきたハッチ達も銃を構えているが、ライン上にスペンサーが入り、ブロックするように立った。彼にはオーウェンの気持ちが分かる。やればやるほど状況は悪くなり、他の人間はその苦しむ姿を見ているだけように感じる。そして、誰にも助けてもらえない孤独感。

苦しみから逃げたい。忘れたい。だからといって死ぬ事はない。スペンサーは後ろを確認しながら、オーウェンの盾になる。もし、彼が死んでしまえば、残されたジョーダンはどうなるか。母親に先立たれた彼と同じ気持ちを味わうのではないか。

銃を置けば、中に連れて行って彼女にサヨナラを告げ、ネックレスを渡すチャンスを与える。そこまで彼が責任を持つと言った。彼は迷った。しばらく考えた。そして、同じ失敗は二度繰り返したくないというスペンサーの思いは届いた。ベルトを外し、銃を地面に置いた。

デリクが手錠をかけ、ロッシは到着した警察を制止する。署まではスペンサーとデリクが連れて行った。オーウェンは何も言わず、彼女にネックレスを渡した。

Spencer (V.O.): "We cross our bridges when we come to them and burn them behind us, with nothing to show for our progress except the memory of the smell of smoke and a presumption that once our eyes watered." Tom Stoppard.

(トム・ストッパードはイギリスの脚本家・劇作家。人権活動も行う。物が失われてしまえば、その出来事は体験した人間の記憶にしか残らないと言いたいのだと思う)

ジェット機内。ハッチはスペンサーの前に座った。彼は自分の命だけでなく、他の人間も危険にさらしてしまった。本来なら解雇するべきところである。彼は優秀なエージェントであるが、高校時代の様に一人ぼっちであるわけではない。今回の様な勝手な行動を取ってしまうと、自分で自分を孤立させてしまうことになる。

Spencer: It won't happen again. Thank you.

前回は人を失ってしまった。だから今度は誰かを助けたかった。いや、これからも同じ事件が起こる度に、彼はそうするだろう。

Hotch: I know it's painful when the person you identify with is the bad guy.
Spencer: What's that make me?
Hotch: Good at the job. I know it's none of my business, but when we land, I think you should go and catch the rest of that movie.

彼はミーティングに参加していることに気づいていたようだ。スペンサーもそれを理解したのか、ジョンからもらったコインを取り出した。

[END]

[感想]

スペンサー中心のエピソードでした。彼の過去や抱えている問題、それに対するデリクやハッチの対応が良かった。最後はちょっとヒヤッとしましたが、非常にいい話にまとまったと思います。ますます彼らが好きになりました。

ただ、加害者を100%責める事が出来ないというテーマは重いものがあります。特に彼の様に若い頃に回りや親からも見離された時、どうやって立ち向かうかと言えば、自殺するか銃という味方をつけるしか思いつかなかった。

イジメに立ち向かえという人はいるけど、実際にどうしたらいいかを教えてくれる人はいないし、言った人は一緒に戦ってくれるのかといえばそうでもないので、彼の様な人間が生み出る可能性はどこにでも潜んでいるのだと思います。中学生や高校生がひどいイジメにあって、家に帰ったらそこに銃があった...

エピソードタイトルとなった"Elephant's Memory"は、劇中でも出てきましたが執念じみた凄い記憶力の事です。象の記憶力は相当なもので、数十年経っても覚えているらしい。人間と同様に嫌な記憶は長く覚えているようです。

殺されたレッツのファーストネームがByronで、これはジェイムズ・ディーンのミドルネームと同じ。偶然の様な気もするけど、多分そこからつけたんだと思う。

次回は1週飛んで4月30日放送。それでは、またー。

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Writer: Andrew Wilder
Director: Bobby Roth

Star:
Shemar Moore as SSA Derek Morgan
Joe Mantegna as Senior SSA David Rossi
Paget Brewster as SSA Emily Prentiss
A.J. Cook as SSA Jennifer "JJ" Jareau
Matthew Gray Gubler as SSA Dr. Spencer Reid
Thomas Gibson as Unit Chief Aaron Hotchner
Kirsten Vangsness as Analyst Penelope Garcia

Guest Star:
Cody Kasch as Owen Savage
Devin Crittenden as Chad Heyman
Tracey Walter as Ike Stratman
Nicholas Roth as Danny Panzer
Tim de Zarn as Paul Barter
Nicholas Alexander as Gavin Pressman
Alexandra Krosney as Eileen Bechtold
Chris Mulkey as Sheriff Britt Hallum
Lindsey Haun as Jordan Norris
Ryan "Rhino" Michaels as Rod Norris
Matthew Kimbrough as Deputy Lou Savage
Kym Jackson as Sarah Letts
Boo Arnold as Deputy Bart Lawford
Michael Ironside as John

Music:
"The Man Comes Around" by Johnny Cash
"Hurt" by Johnny Cash


©MMVII, CBS Broadcasting Inc. All Rights Reserved.
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