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[Fringe] シーズン1第5話。


マサチューセッツ州ウースター(Worcester, MA)。ジョセフ・ミガー(Joseph Meeger)という男は、配送センターで働く普通の人。ロッカーに"UNLOCK YOUR HIDDEN POTENTIAL"と書かれた広告を貼っている。電話の待ち受け画面は、彼女でもない女性の写真。それをボスに見られてしまった。仕事に戻った彼は機械を故障させてしまう。今週で2度目らしく、ボスに別の仕事を薦めらる始末である。

彼は梱包した箱をある会社に運んだ。REO Speedwagonの"I Can't Fight This Feeling"を聞きながら(あぁ、久しぶりに聞くとたまらなくいい)。その荷物の受け取り相手が、さっきの女性だった。彼女はベサニー(Bethany)という。ジョセフがようやく勇気を出して仕事以外の話をしたが、目の前で同僚の飲みの誘いを彼女は受けた。

すると彼の表情が一瞬曇る。と同時に彼女のパソコンが壊れた。どうやら彼の感情と電子機器に関連があるようだ。彼は逃げるようにエレベータに向かった。入れ替わるようにObserverが出てきたが、当然彼には知る由もない。


Observer


安心したのも束の間、エレベータのドアが閉まろうとした瞬間、ベサニーが飛び乗った。ぶつかった拍子で携帯電話を落としてしまい、彼女に待ち受け画面を見られてしまった。ショックを受けると共に、エレベータが故障。物凄い勢いで落下していき、地下に激突した。

意識を取り戻したのは彼のみ。降りて駐車場を歩くと、車のライトがついて、防犯ブザーがワンワン鳴り出す。彼は一体どうしてしまったのか。


FRINGE



リヴィはジョンとの関係を知りながら誰にも話さなかったチャーリーを信用し、昨晩ジョンが家のキッチンに現れたことを話した。彼女自身も本物だと信じてはいないが、このまま放っておくのもどうかと思ったのだろう。

Francis: You fall in love with your partner... who betrays you... and your country? He dies in your arms. Then he shows up in your kitchen And you're wondering if that's grounds to rescue yourself.
Dunham: Yeah, okay, well, we can start with that.
Francis: I say no. You're the one that exposed him. Bare minimum, That makes you indispensable. You want my advice? Next time John shows up for a nightcap... give him one.
Dunham: I'm being serious.
Francis: So am I. You think a few weeks pass and everything you went through just goes away? Don't fight it. Don't beat yourself up. You're good at that. That's a character flaw. It'll get easier.


悩みを抱えているのは、ピーターやウォルターも同じ。息子は夜も眠れず過ごし、父親もObserverの事が頭から離れないでいた。クレスギにいる二人の下に、ブロイルズとダナムが来た。午前10時17分頃、ウースターで電力サージが起きた。エレベータが26階から地下に激突して8人が死んだ。

不審な点はエレベータが落下したのではなく、勝手に高速で下に向かって降りていった事にある。9ヶ月前、東京でリニアモーターカー(maglev train)が混雑した駅に突っ込んだ。公表ではヒューマンエラーということになっているが、実際は原因不明のパワーサージによるものだった。

新しい兵器の実験であると思われ、今回もその続きである可能性がある。実際にそのビルに行き、事件の原因、状況、そして誰が引き起こしたかを調べる。


エレベータには当然自動ブレーキがついていて、レールにきちんと固定されたまま。それを溶かすかのごとき速さで突き進んでいた。防犯カメラの方も全部やられてしまい、映像は全く残っていない。

遺体の女性を調べると、exit wound burn(火傷が中から外に向いて出来ている)と結膜下出血がある。典型的なthermoelectric traumaで、感電死したものと思われる。激突の衝撃ではなく、体内に電気が流れたことによって死んだ可能性が出てきた。

ためしにオリヴィアのネックレスを宙にかざした。24金とニッケル、コバルトが含まれているそれは、見事に宙に浮いた。事件から時間が経った今も、そこに電磁場が残っている証拠だ。ウォルターは遺体と彼らの備品をラボに持ち帰って調べることにした。


彼はかつて政府に頼まれて、人間をハトで追跡できるように改造するための理論を考えていた。その際に感電の状況を見ていたらしい。人間の電気システムは非常に複雑で、心臓や脳には個人特有の電気が流れているため、それを完璧に理解しないと個人を識別して追うことは出来ない。

ハトは冬になると南の目的地にきちんと着く習性を持っていることから、地軸の磁場を理解できる能力があるのではないかと考えた。ところが、人間のそれはあまりにも弱かったので、ハトが感知できるように人間の電磁場を強める実験を行った。

実験は成功したものの、副作用が出たために計画は中止。被験者はたった一人で、しゃっくりをする度に電気が消えてしまう事態になった。意図的ではないにしろ、周りの電子機器をコントロールする能力を身に着けた。

という話をしながら取り出した心臓をプレートに乗せると、ピクピク動き出した。これはある人間が研究していた理論で、臓器の電気を増幅しておけば、死んだ後でも残存したエネルギーによって動くというのだ。

一連の流れから、エレベータを動かす電力を供給した犯人が、中の人にも強力な電気を与えたために、こうした事象が起きた。つまり、事故の原因は武器の実験ではなく、ただの人間なのであると結論付けられた。


ジョセフは職場に戻った。かなりの時間、持ち場を離れていたため、ボスに呼び出された。彼はしばらく前からボスに目を付けられていて、今回の件でついにクビを通達された。彼には養わなければならない母親がおり、突然の通告に感情が爆発。ボスの目の前の機械が勝手に動き出して、彼の腕を挟みこんだ。


ブロイルズは遅くまで残っているダナムにコーヒーを持ってきた。彼女はウォルターの出した結論について報告。今は"Neural distortion in human subjects"の記事を読んでいる。彼女の話した理論について、彼は何か気づいた。

Patternの事件を追っている間、いくつかのクリニックの名前が挙がった。その中にジェイコブ・フィシャー(Jacob Fischer)というバイオテクノロジのドクターがいて、人体実験の罪で4つの州と3つの国から指名手配を受けていた。

手術による改造や、放射線によるホルモンセラピー。ある被験者は、興奮剤を目一杯投与され、一年もの間眠らせてもらえなかった。その間、恐怖映像をずっと見せられていたそうだ。

Broyles: I only bring it up because if Dr. Bishop is right, and there is a person with these extraordinary capabilities, it might very well be that someone made him this way.
Dunham: I'd like to read the files on Dr. Fischer.
Bryoles: I'll have them transferred to your terminal. But it's not easy stuff to look at.


リヴは引き続き、彼の資料を調べ始めた。すると突然電気が消えて真っ暗になった。彼女が恐る恐る部屋の入り口の方を見に行くと、そこにまたジョンが現れた。

Scott: Hey, Liv. It's okay. It's okay. It's just me. I know this doesn't make any sense to you. Even if it did, I know you don't have any reason to trust me. But that's what I'm asking you to do. We don't have much time. I'm here to help.
Dunham: You tried to kill me.
Scott: No, Liv. I loved you. You know that. You know I loved you. I did. Always. I can prove it to you. But not here. It's... it's just not the way it works. You're on the right track. I'm here to tell you that. You're looking for a person, But Jacob Fischer is after him also. you need to get to him first, before Fischer can use him.
Dunham: Use him for what? Use him for what? How do you know that?
Scott: I will prove it, Liv. That I love you. Always. But not just yet. You're just gonna have to wait.

彼はエレベータに乗って去っていった。オリヴィアは階段を下りて先回りしたが、そこに彼の姿はなかった。ただ、これで気づいたことが1つある。


彼女はピーターの家に行った。エレベータには重量センサがついていて、衝突の直前には1440パウンドだったと記録にある。ところが、遺体の全重量を図ると1275しかない。つまり165パウンド程度の人間が生きて脱出したと思われる。

さらにそれがウォルターの実験対象だった可能性もある。ピーターは、本人が激突の影響を受けなかったことに疑問を持ったが、ウォルターによれば本人はコンダクタの状態になり、自分が流した電気による磁界との反発から浮遊するから大丈夫らしい。リニアモーターカーが浮遊するのは同じ極の磁気が反発するのを利用したもので、これも理論的に同じなのだ(リニアモーターカーの原語maglevはmagnetic levitationの略)。

自分が乗ったエレベータを故障させたのは、本人が力をコントロールできないため。そこでオリヴィアは大きい事件ではなく、小さい見逃しがちな事件を探すことにした。ウォルターは、そのために誰を探すべきかすでに心当たりがあった。と話しつつ、履いているウールソックスをカーペットにこすり付けて、静電気を起こそうとしている。困ったおじさん。

彼女はチャーリーに頼み、ウースターや事件のあったTerndon Building周辺の駐車場やゲート、ドア、ケーブルTVの資料を用意してもらった。彼の方はあの大事故を引き起こしたのが人間であるということをまだ受け入れられないようだ。


ジョセフは怖くなり、母親に真実を話した。数ヶ月前、雑誌の広告で自分の隠れた能力を引き出してくれるとあり、そのオフィスに行った。いくつか検査を受けた後、催眠状態にされ、脳の電気刺激を調整したと言われた。他のスゴイ人の脳と同じくしてもらったはずだったのだが、以降、自分の周りで事件が起こり始めた。

母親は息子の話を全く聞かない人間だから、今回の話も全く真に受けなかった。彼の話をさえぎり、信用どころか真剣に耳を傾けようともしない。それを見た彼は感情的になり、家の電気を過電圧状態にしてしまう。さらには彼女の体内にも電気を流してしまい、彼女は苦しみもがいて倒れた。911に電話しようにも、当然回線は繋がらない。

とうとう母親まで殺してしまった。荷物をまとめアパートを逃げようとすると、二人の男が入ってきた。うち一人は、フィシャーである。やはり彼がジョセフにこのような実験をした人間らしく、注射を打って拉致した。


FBIオフィスでは、小さな事件の詳細を探していた。そこで見つかったのが、Bicoastal Parcelのコンヴェイヤが壊れて腕を失ったというもの。Terndonの来客記録にもその会社の名前があり、横にジョセフの名前が書かれていた。

オリヴィアが彼の家を訪れると、そこには死んだ母親の姿があった。死因はペイスメイカーの故障。これをウォルターに話したら、近くに電化製品はないか聞かれた。電話機、ブームボックス(boom box: 携帯用の音楽プレーヤ)、ファンなど。他にはテレビやランプもあるが、彼はブームボックスに反応した。





自分の実験道具の中からこんなものを取り出し、これで彼を探すことが出来るとご満悦に話した。


リヴィはクレスギに行った。ウォルターが見せたのはカセットテープで、冒頭でジョセフが聞いていた"I Can't Fight This Feeling"が入っている。前述の通り、人間には指紋と同様な個別の電磁周波数がある。ジョセフのそれはこの曲と類似していて、曲の周波数から彼の周波数を特定できるのだ。

彼は音声処理を施し、該当する周波数のヒストグラムを抽出した。理論上、ハトを使えば彼の行方を追うことが出来るはず。必要なのは24羽のハト。リヴィはすぐに用意させた。

ハトを電気コイルの中に入れてくちばしを帯電させる。そうすると方位磁石の針のように、方角を知ることが出来る。磁界の周波数をジョセフに向くように設定すれば、ハトは彼の方向に向かうだろうという仕組み。ハトにGPSを付けることで、人間も場所を知ることが可能になる。

Peter: So we're putting GPS chips on carrier pigeons to find a man who can control electricity? I have you to thank for that, don't I?
Olivia: Yeah, that's me.

彼女が一人で飲み物を買いに行くと、そこにジョンが現れた。

Scott: You listened.
Dunham: You're not real.
Scott: The last time we spoke, you listened.
Dunham: You stay the hell away from me.

彼は自分が本物であることを証明すべく、彼女にキスした。

Scott: Liv. I didn't betray you. You know that. In your heart. You know I wasn't the one.

そこにピーターが来た。彼女が彼の方を向き、再び後ろを向くとジョンの姿はもうなかった。


GPSを起動し、準備は完了。しかしかごを開けてもハトが飛び立たない。そこでウォルターは、指で笛を鳴らした。一斉に飛び立っていく。

Farnsworth: Are you sure this is gonna work?
Walter: Of course not.

ダナム達は車で追跡開始。ファーンズワースはラボから鳥の動きを追い、彼女の指示で車部隊は移動する。その頃、フィシャーはジョセフの頭に電極をつなぎ、新たな実験を行っていた。モルモットを扱うよりもひどく、無慈悲に電流を流してはデータを取る。

しばらくしてハトは一箇所に固まって止まった。ダナムはピーターを車に残し、フランシスや他のエージェントと共に建物に向かう。見張りをしていた男がいち早く察知し、これをフィシャーに報告。すぐにジョセフを別の場所に移動させ、そこで落ち合うことにした。

男はジョセフを車に乗せ、逃亡を図ろうとした。しかし、彼はパワーアップしたのか、自ら車のエンジンをかけてコントロールし、前にいた男を轢いた。一方、建物に残ったフィシャーは、自らFBIチームの前に出てきた。

本来の目的はジョセフであるため、フィシャーはフランシス一人に任せて、手分けして彼を探すことにした。裏のガレージにいた彼はダナムに発見され、逃走。行く先々の車や装置を動かしていったが、隠れていたピーターに殴られて撃沈。無事に身柄を確保した。

Dunham: Mr. Meegar.
Meegar: Miss, no one will tell me where I'm going.
Dunham: To the hospital. They're going to perform some exams. Check to see that your head's okay. And then I'm gonna have some questions for you.
Meegar: I want to go home. I didn't want to hurt anybody.
Dunham: We're going to help you.
Meegar: That's what they said. Please... I want to go home.
Dunham: I'm afraid we can't let you do that.


作戦は成功を収め、ウォルターはファーンズワースに礼を述べた。

Walter: Thank you, my dear.
Farnsworth: What's my name?
Walter: Starts with "a." Yes?
Farnsworth: Astrid.
Walter: I knew it.

オリヴィアはラボを訪れた。ウォルターは「ハトを逃がす」というピーターからの伝言を伝えつつ、飼っている牛から搾り取ったミルクをビーカーに入れて飲んでいる。牛にはジーン(Gene)と名づけるわ、ミルクをフラスコで暖めるわと、相変わらずの変人ぶりだ。

そんな彼にも彼女の異変には気づいていた。

Walter: Well, I don't yet know you well enough to ask this, but, uh... you haven't seemed yourself lately.
Dunham: I haven't been sleeping very well. I've been... nothing. See you tomorrow.

それは表情から見て取れるものだけではない。帰ろうとする彼女に、驚くべき事を言った。

Walter: You've been seeing him. Your friend. John Scott. I'm not surprised. There is a reason.
Dunham: I've been having hallucinations.
Walter: No. Not hallucinations.
Dunham: Walter. What's happening?
Walter: I can't be sure. The brain is a mystery. But I believe when you were in the tank, John Scott... that part of his consciousness crossed over into yours. And it's still there. His memories. Experiences, thoughts. You understand me, yes?
Dunham: These aren't memories. He appears right in front of me. He talks to me.
Walter: Yes, he would. Like a waking dream. Because he doesn't belong there. There's only room for one voice in your head, not two. This is your brain's way of working it out. Your mind is expelling him. Exorcising his thoughts.
Dunham: He'll go away. Is that what you're saying?
Walter: I don't know. Do you really want him to?


彼女が車で帰宅していると、歩道を歩くジョンの姿が見えた。彼女は車を降り、彼の後を付けていく。地下に降り、突き当りに鍵のかかったドアがある。彼女は銃で壊して、先に進んだ。地下道の奥には部屋があり、そこは資料で埋め尽くされていた。

彼女はブロイルズに報告し、これら全てを押収してもらった。どうやらスコットは独自の調査を行っていて、全てはPatternに関する物だった。彼はPatternについて知っていただけではなく、フィシャーの事も知っていた。

内容量はブロイルズ達のそれを上回るもので、ジョセフと同様の実験を施された他の7人も含まれていた。今のところ彼のように起動した形跡はなく、判明した場所から彼らを保護し、メディカル・サーヴィスに調べてもらっているところである。ダナムの早い報告により、一見したところでは全員無事だそうだ。

フィシャーは協力を拒否している状態なので、6週間独房に入れた後、再び意見を伺う。うまく行けば、その頃には態度を変えていることだろう。発見された物は他にもある。スコットの個人的な持ち物で、彼の幼い時の写真や彼女に渡すはずだった結婚指輪があった。そこにはメッセージが刻まれていた。

"I will prove it, Liv, that I love you. Always."


【感想】

1週空いて今回。安定した面白さもあったし、全体のストーリィも進んで良かった。サイエンスの話だけど、初歩的というか一般的な知識のレベルだから理解も楽。知識がある人は、実際にやったらどうなるのかというツッコミじゃなくて、どういうコンセプトを見て楽しめる感じ。それはNumb3rsも同じだけど。

今回も、書いたようにObserverが登場。一瞬ではなくて若干の時間があったから、今日は気づいた。あれはただの演出なのか、実際に後々繋がってくるのか、そこらへんも楽しみ。

あと、地名のWorcester。ブロイルズの発音を聞けば分かると思いますが、ウースター[woos-ter]です。

また次回。


【Credits】

Stars:
John Noble as Dr. Walter Bishop
Anna Torv as Olivia Dunham
Joshua Jackson as Peter Bishop
Jasika Nicole as Astrid Farnsworth
Kirk Acevedo as Charlie Francis

Guest Stars:
Ebon Moss-Bachrach as Joseph Meegar
Max Baker as Fischer
MaryLouise Burke as Flora Meegar
Diane Davis as Bethany

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